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第3回「未就学児期の問題解決能力」

こんにちは、発達支援Laboランプです。


ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。

今回のテーマは「未就学児の問題解決能力」です。

未就学児期(0~6歳)は、子どもたちが急速に成長し、多くの新しいスキルを獲得する重要な時期です。この時期に発達する能力の中でも、特に重要なもののひとつに、「問題解決能力」があります。
問題解決能力は、日常生活や学習、将来的な職業生活においても必要不可欠なスキルであり、この早い段階での発達が、後々の人生に非常に大きな影響を及ぼします。

 

問題解決能力とは
 問題解決能力とは、直面する問題を認識し、それに対する解決策を考え、実行する力のことです。この能力は、以下のような具体的なプロセスから構成されます。


1,問題の認識:何が問題なのかを理解する力 

 子どもが直面する問題を明確にすることが最初のステップです。例えば、遊んでいる玩具が壊れてしまったり、友達と意見が食い違ったりする場面です。また、それらの問題に対して感じる感情も理解する機会となります。問題が発生した時、子どもは怒りや悲しみ、不安などを感じることがありますが、この感情をことばやその他の方法で表現することで、問題をより具体的に把握することができます。

 

2,原因の分析:問題の原因を探る力

 問題がどのような状況で起きたのかを把握します。例えば、玩具が壊れてしまった原因は、遊び方が違ったのか、単なる偶然だったのか等を考えます。加えて、その解決のために必要な情報を集める機会ともなります。壊れたおもちゃを修理するために必要な道具や材料とも関連付けて考えることができるでしょう。

 

3,解決策の考案:解決策をいくつか考えだす力

 問題を解決するためのアイディアを考えます。一つの解決策を伝え「解決させる」のではなく、自由な発想を促すことが大切です。子どもがいくつかの解決策を思いつけるようなサポートが必要です。そのうえで、それらの解決策の中から、どれが最適かを比較検討していきます。例えば、壊れた玩具を自分で直すか、大人に直してもらうか、新しいものを買うかなどの選択肢を考えます。

 

4,実行と評価:解決策を実行し、その結果を評価する力

 最も効果的で且つ実行可能な解決策を選びます。それぞれの解決策の利点・欠点を評価し、子どもが自分で決定するように促します。そして、その解決策の実行のために必要なもの、手順を確認し、進めていきます。

 

 未就学児期の子どもたちは、遊びや日常生活を通じて自然に問題解決能力を育んでいきます。たとえば、ブロックを組み立てる遊びでは、どのブロックがどこに合うかを考えることが求められます。また、おもちゃを取り合うような場面では、どのように交渉し、解決するかを学びます。これらの経験は、親や周りの大人から言われたことをやるのではなく、子どもたちが自分で考え、行動する力を養う機会を提供します。


 未就学児期の子どもの問題解決能力を伸ばすためには、親や教育者の支援が不可欠です。具体的なものとしては、以下のようなものがあります。


1,質問を投げかける
 子どもが自分で答えを考えるような質問をすることで、考える力を促進する。


2,選択肢を与える
 複数の選択肢を提示し、自分で選ばせることで、決定する力を育てます。


3,失敗を許容する
 子どもが失敗しても、それを学びの機会として捉え、次にどうすればよいかを一緒に考えるようにする。


4,褒める(※子どもが褒めてほしいと思う人)
 子どもが問題を解決したときに、その努力をしっかりと認め、自己肯定感を高める。

 

 遊びは、未就学児期の子どもにとって非常に重要な学習の手段です。遊びを通じて、子ども達は自然に問題解決能力のスキルを身につけます。例えば、パズルやブロック遊び、ロールプレイングゲーム等は、子どもが楽しみながら論理的思考や想像力を養うのに適しています。
 また、絵本の読み聞かせも効果的です。物語の中で登場人物が問題に直面し、それを解決する過程を通じて、子ども達は間接的に問題解決のプロセスを学ぶことができます。


 問題解決能力は、特別な場面だけではなく、日常生活の中でも育まれます。例えば、家族の一員として簡単な家事を手伝わせることや、買い物リストを一緒に作ることで、日常の中で小さな問題解決の経験を積むことができます。
 未就学児期における問題解決能力の発達は、子どもの将来的な成功にとって非常に重要です。親や先生、周囲の人間が意識的にサポートし、子ども達が自ら考え、行動する機会を提供することで、この重要なスキルを伸ばすことができます。遊びや日常生活を通じて、楽しく効果的に問題解決能力を育てていきましょう。

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